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用語集
放射性物質の危険性
一度体内に入ると排出が困難な物質。

アメリカのスリーマイル島や、旧ソビエトのチェルノブイリの原発事故、中東湾岸戦争でイラクのバスラやナシーリアで原子力発電所の廃棄物を利用した劣化ウラン弾による 乳幼児や幼児の放射性物質による白血病や甲状腺ガン、遺伝子異常など、ご記憶の方も多いと思います。
どのような物質なのですか?
化学反応に関わる物質の最小単位は原子と呼ばれ、原子はさらに原子核と電子で構成されています。比較的よく耳にする放射性物質であるウラン、 コバルト、ラジウム、ラドンなどを構成している原子核は非常に反応しやすい(不安定な)状態なのでエネルギーを放出して、より安定な状態になろうとします。 このときに放出されたエネルギーを放射線と呼び、放射線を出す物質のことを放射性物質といいます。
なぜ、水道水中に混入するのですか?
放射性物質の混入ルートとしては、核実験等により大気中に放出された放射能が雨などと共に水源に入るものや、 ウランなどのように自然の岩石などに含まれているものを溶出したり、原子力発電所やこれらの施設、および大学や病院などの施設からの廃液などによります。
私たちの生活環境には、どれくらい放射性物質が関わっているのでしょうか?
放射性物質は、原子力発電所などのエネルギー源としての利用が最も大きいのですが、じゃがいもの発芽防止、ガンの治療、 病気の診断(レントゲンや血管造影剤による撮影)など、多岐にわたって利用されています。放射線は人体に当たっても痛くも痒くもなく、五感に感じないものです。
どれくらい水道水中に含まれていますか?
主要都市の水道水中には、ストロンチウム90が0.037~0.074Bq(ベクレル)/l セシウム137が0~0.019Bq/l含まれています。 さらに核実験や湾岸戦争に使用された劣化ウラン剤等の微細放射性物質が水道原水の湖沼や河川、地下水に高濃度に混入される場合があります。 実際にチェルノブイリの原発事故の時には日本にも放射線物質が降下しました。その時の雨水中の放射性物質の濃度は、千葉県で492Bq/l、東京都344Bq/l、神奈川県111Bq/l、島根県330Bq/lでした。 このような微小な放射性物質は浄水場では除去できません。実際にその後の水道水中の放射性物質濃度は、北海道で1.2Bq/l、茨城県0.67Bq/l、千葉県0.19Bq/l、新潟県 0.59Bq/l、 島根県0.81Bq/l、 WHO放射性物質飲料水基準は0.1Bq/lですから、このような事故があるとWHO飲料水基準の10倍近い放射性物質を取り入れ体内から被爆していることになります。
放射性物質の人体への影響は?
放射性物質の発ガン性などの危険性については、マスコミ等により報道されている通りです。体内に摂取された放射性物質からでる放射線は細胞の重要な分子構造に直接作用し、 細胞の中のDNAを破壊し、ガン化させる直接影響と、水や食物などの有機化合物の分子をラジカル活性化させてしまい、活性酸素を発生させ、生体細胞に直接作用してガンを発生させ、 生殖細胞内の遺伝子や染色体に影響を与える間接的影響とがあります。 γ(ガンマ)線の場合500mSv(ミリシーボルト)でリンパ球の急激な減少、1000mSvで吐き気・全身倦怠、 4000mSvで死亡率50%、 7000mSvでは100%死亡します。放射線の影響は生殖線、乳腺、骨髄、肺、脾臓、リンパ等の体液が濃縮された部位ほど高くなり、晩発影響として白内障や白血病、 他各臓器のガン等を引き起こします。一度細胞に取り込まれた放射性物質は、体外に排出されず体内から絶えず放射線を発し人体内の細胞を破壊していきます。
水道法水質基準について
日本の水質基準 ・・・・・ 現在、基準は設けられていません。
アメリカ(全α線) ・・・・・ 15pCi/l(0.55Bq/l)
   (β線+光子放射線物質) ・・・・・ 4mrem/年(40mSv/年)
   (ラジウム226) ・・・・・ 5pCi/l(0.18Bq/l)
   (ラジウム228) ・・・・・ 5pCi/l(0.18Bq/l)
   (ラドン) ・・・・・ 300pCi/l(11.11Bq/l)
   (ウラニウム) ・・・・・ 0.3mg/l
WHO ・・・・・ 成人が1日当たり2リットルの飲料水を1年間飲用した場合に各種の放射性物質から受けるαおよびβ放射線量から逆に求めて、
   (全α線量) ・・・・・ 0.1Bq/l以下
   (全β線量) ・・・・・ 1.0Bq/l以下

 ※注:1ベクレル(Bq)=放射性核種の原子が1秒間に1個壊変する数値
   1ベクレル(Bq)=27ピコキューリ(pCi)

 ※注2:アメリカの放射性物質に関する飲料水基準の将来目標値は、放射性物質の濃度を全てゼロにすることを目標にしています。日本の厚生労働省でも、平成14年度よりラジウム温泉やラドン温泉地での温泉水の飲用をしないよう各温泉地に注意勧告をしています。
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